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有古ニュース  2005.6


■中国における特許権に基づく仮処分の執行について

中国においては、諸外国より特許、意匠、商標、著作権等の知的財産権の保護の強化が求められ ています。有古特許事務所(以下、「有古」)では、昨年末に、 日本メーカーからの依頼を受け、マッサージチェアの特許権侵害事件を担当致しました。(本件は2004年12月29日付け日経新聞に掲載されました。)
 その結果、受任から約半年で、中国における特許権侵害の仮処分の裁定を得、中国における特許侵害品の生産と販売とをほぼ停止させることができました。
 商標権の侵害事件については、商標の同一性の判断及び商標が登録商標であることの確認が比較的容易にできます。このため、中国では行政機関に申告して、 行政機関(工商行政管理局)による取り締まりによって迅速に生産あるいは販売を停止させることができます。
 ところが、特許権については、

1.権利対象が技術であるので侵害の判断が容易ではありません。
2.加えて、商標を管理する行政機関は企業法人の管理を担当する工商行政管理局であるのに対し、特許等の管 理を管理する行政機関は知識産権局であって、工商行 政管理局ほどの強い権限を有していないのが実情で あります。
3.さらには、行政機関の摘発は地元の行政機関が担当することから、各地域において摘発手続きを取らなけれ ばならないことや中国特有の地域主義があってすんな りとは摘発がなされないこともあります。

これらの状況を考慮して、有古では、裁判による解決を求めることとし、裁判手続きの上で問題となる遅延性については仮処分の執行によって回復を図ることと して、手続きを進めました。
具体的なクロノロジーは下記の通りですが、特許の取得、証拠手続き等仮処分手続きの進行は容易ではありませんでした。特に、現地の専利代理機構や律師事 務所との綿密な意思疎通がなければこれらの手続きはこれほど順調には進めることができなかったものでした。
結果的には、生産差し止めの仮処分の執行では、既に製造拠点では侵害品の生産は確認されませんでした。しかし、裁判所の仮処分の裁定書の写しを添付して 中国全土の侵害品の販売店舗に対し、現地代理人が警告状を送付したところ、その効果は大きく、一時は、ほぼ全国の販売店において特許侵害品は店頭から姿を 消し、侵害品製造メーカーのホームページも閉鎖されました。
本件は、現在も本訴係争中であり、模倣品業者も仮処分対象製品とは別の模倣品を製造・販売して対応してきているなど一筋縄ではいかない面もあります。有 古では、今後もこうした紛争事案に積極的に対応し、現地の代理人とともに中国の経済秩序の向上に向けて努めてまいります。

(クロノロジー)    
2003年頃   中国、台湾、韓国、アメリカ、ヨーロッパ、東南アジア、ブラジル等の世界各国において特許侵害品が出現。
2004年 7月下旬 特許侵害品製造メーカー判明。
  8月18日 中国において本件特許権成立。
  9月上旬 侵害品製造メーカーへ警告状発出。
  9月上旬 上海において特許侵害品の購買(公証手続)、鑑定開始。
  (10月侵害品製造メーカーより非侵害の旨警告状の返信。)
  11月19日 上海市中級人民法院に本件特許権に基づく提訴及び仮処分申請(仮処分申請内容は販売・生産の停止)。
  12月01日 仮処分の裁定。
  12月28日 製造メーカーに対して執行。
  12月30日 上海市内販売店に対して執行。
2005年 1月 中国全土の侵害品販売店舗に警告状発出(裁定書添付)。
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