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有古ニュース  2007.10


中国・商標法には、「馳名商標」について効力(第13条)と認定要件(第14条)が規定されていて、異議申立や審判事件において認定が行われています。つ まり、中国・商標法によって特段の保護を受けることができる著名商標のことです。紛らわしいのですが、中文表記での“著名商標”もあります。この“著名商 標”なるものは中国の省市レベルで著名度が高い商標として認定される商標であり中国・商標法上で特段の保護を与えられるものではありません。
 ところで、この馳名商標の認定には種々の“御利益”があるため、認定を希望する日本企業も多いのですが、商標局及び商標評審委員会は、これまでに日本企 業の商標は6件(日産自動車、YKK、ダイキン工業、トヨタ自動車、本田技研工業、松下電器産業“Panasonic”)しか認定していませんでした。こ うした中、本年9月には商標局及び商標評審委員会によって2007年には197件の新たな馳名商標を認定した旨発表されました。この中で日本企業は、異議 申立事件及び審判事件に絡んで、パイオニア、川崎重工業及びセイコーエプソンの社名商標と、トヨタ自動車の“LEXUS”ブランドの4件が新たに認定され ています。
 このうち弊所が関与した異議申立事件においても馳名商標の認定申請がされ、認定を受けました。認定申請では、異議申立書において馳名商標の認定を求める 旨主張し、中国商標法第14条の条件に沿って、中国国内で如何に周知活動を繰り広げ、公衆に熟知されているかを示す資料を添えました。認定を示す書面にお いては、「馳名商標とするよう認定を要求し、かつ関連する証拠資料を提供し、かつこれらの証拠は異議申立人の引用商標が宣伝及び実際の使用によって既に我 が国の関連公衆によく知られていることを証明できる」旨記述されており、添付した資料が証拠として十分に機能を果たしたことが示されていました。
 そして、認定された馳名商標は、下表のようなリストとして商標局のホームページに掲示されます(http://sbj.saic.gov.cn/pub /show.asp?id=528&bm=sbyw)。これによって、他社からの無用な類似商標の出願が牽制されることにもなり、商標の価値もあ がります。まずこれが、商標局及び商標評審委員会による馳名商標の認定の“御利益”の1つです。
 こうしたことから、中国で商標登録を済ませ、積極的に事業展開をしている日本企業としては、他社の類似の標章の商標登録出願や登録商標を発見した際に は、異議申立や取消審判の請求において、積極的に馳名商標の認定を要求すべきと考えます。ただし、中国国内ではさほど事業展開されていない場合には、例え 諸外国では周知であっても馳名商標に認定されないおそれがあるので注意を要します。同一事実及び理由による馳名商標の認定請求は、1年1回に限られている からです(馳名商標の認定と保護に関する規定 2003.4.17工商局総局令第5号9条)。

                                                                  以上

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