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有古ニュース  2008.7


■特許行政年次報告書2008年版のポイントについて

先月6月27日に特許庁より「産業財産権の現状と課題~グローバル化に対応したイノベーションの促進~<特許行政年次報告書2008年版>」が公表されました(http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/puresu/press_zaisanken_kouhyou.htm)。
いわゆる毎年発行される“特許白書”ですが、今年のポイントは、以下の4点としています。

① 企業活動のグローバル化等を背景とした、世界的視野での出願戦略が進み、日本企業の国内特許出願は減少傾向を示す一 方、新興国を中心に海外への出願は引き続き増加。
② 日本のみならず海外特許庁においても海外からの出願件数が増加。特にBRICs等新 興国においては顕著であり、新興国を市場及び製造拠点として重視していることがうかがわれる。
③ これまで増加してきた日本の大学の特許出願は横ばい。国際的な権利取得の進展のみならず、特許実施料収入が急増するなど、大学における知的財産に対す る取組が充実してきている。
④ 特許のみならず意匠、商標それぞれについて、日米欧中韓5大特許庁間の出願収支情報を提供。

このうち、①は、知的財産戦略推進本部の知的財産推進計画に沿った動きですが、国内特許出願件数は3%減の39.6万件となったのに対し、PCT出願は 2%増の2.7万件となっています。
また、新興国、いわゆるBRICsにおける日本人(日本企業)による出願件数の伸び率は大きくなっています。ただし、出願数自体を見ると、中国以外は伸 び始めたばかりと言えそうです。また、中国向けの特許出願の伸びは緩やか(ほとんど横ばい)となっています。

BRICs 日本人(日本企業)の特許出願件数 前年比伸び率
ブラジル 1,263件(2006年) 44%増
ロシア 904件 21%増
インド 1,555件(2005年) 39%増
中国 32,870件 0.2%増

②については、日米欧韓中の、いわゆる五大特許庁全てにおいて外国(非 居住者)による特許出願が増加していることに加え、ブラジル、ロシア、インド、ベト ナム、インドネシア、トルコにおける特許出願の伸びの主因が外国(非居住者)による出願増であることを説明しています。グローバル経済の下、日本を含めた 各国企業がますます外国での経済活動を活発化させる傾向を反映しているとの見解を加えています。

③については、大学による特許出願が2005年以降ほぼ横ばいで推移していること、日本の特許出願上位校のPCT出願が目立ってきていること、特許権の 実施料収入が大幅に増えてきていることを傾向として説明しています。

④については、従来は特許の出願件数及び登録件数について日米欧中韓の各国間の相関関係を分析していたものを、当該年次報告では意匠の登録件数及び商標 の出願件数についても同様の分析を行ったことをアピールしているものです。
特許出願件数では米国がNo.1、意匠登録件数では中国がNo.1、商標出願件数では欧州がNo.1となっています。
また、特許出願の相関関係については、日欧韓中とも全て米国出願を重視していることが見て取れます。

(特許行政年次報告書2008年版第1部第1章より抜粋)

意匠登録の相関関係については、米中韓は欧州登録を、日欧は中国登録を 重視していることが見て取れます。中国は意匠出願の実体審査がないので、商標出願や 特許出願の補完的出願として意匠出願を利用する傾向があります。来年の年次報告ではこの傾向がどう変わるか注目したいと思います。

(特許行政年次報告書2008年版第1部第1章より抜粋)

商標出願の相関関係については、欧米間の相関関係が強く相互に相手への出願を重視しているのですが、日中は欧州出願を、韓国は日本出願を重視していること が見て取れます。

(特許行政年次報告書2008年版第1部第1章より抜粋)

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