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有古ニュース  2008.9


■弁理士 中尾優

知財の利用に関する独禁法指針について

事業展開のため、他社に設備や事業を供与する場合、関連する技術(特許やノウハウ)を他社に供与することとなります。この場合、価値のある技術、つまり知 財たり得る技術は、技術供与に関する契約としてその取扱を約定しておくことが円滑な事業展開に貢献します。
 既に多くの事業体がこうした技術供与に関する契約をなされているのですが、昨年(平成19年)の9月28日には、公正取引委員会が「知的財産の利用に関 する独占禁止法上の指針」http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.september/07092803.html) を公表しています。指針は、ライセンサーの優位な地位を利用した契約に関連して、独占禁止法に抵触する行為を具体的に示しています。既存の契約の更改時に は所要の条項の見直しを検討することが望まれます。また、現地法人(海外子会社)との契約であっても日本法を準拠法とする場合には注意を要します。
 やや旧聞に属するのですが、以下に指針のポイントを紹介します(下線部は該当行為上の重要なポイントです)。
 なお、指針に目を通せばお判りのように、契約条項と指針との抵触関係は、多くの場合、当該契約条項の内容のみならず、当該契約条項によって生じる状況な どにも拠ります(いわゆる灰色条項)。指針との抵触が懸念される契約条項については、専門家にご相談下さい。

Ⅰ.独禁法3条(私的独占又は不当な取引制限)に関する行為

1.独禁法2条5項に該当し得る行為

(1)技術を利用させないようにする行為[指針第3-1-(1)]
以下の行為は、知的財産制度の趣旨を逸脱する等と認められる場合であって、一定の取引分野における競争を実質的に制限する場合には、私的独占に該当する ことになる。
(不合理なパテントプール)
「パテントプールを形成している事業者が,新規参入者や特定の既存事業者に対するライセンスを合理的理由なく拒 絶することにより当該技術を使わせないようにする行為」
(横取り行為)
「ある技術が一定の製品市場における有力な技術と認められ,多数の事業者が現に事業活動において,これを利用している場合に,これらの事業者の一部の者 が,当該技術に関する権利を権利者から取得した上で,他の事業者に対してライセンスを拒絶することにより当該技術を使わせないようにする行為」
(買い集め行為)
「事業者が,競争者(潜在競争者を含む。)が利用する可能性のある技術に関する権利を網羅的に集積し,自身では利用せず, これらの競争者に対してライセンスを拒絶することにより,当該技術を使わせないようにする行為」
(不当な規格採用)
「多数の事業者が製品の規格を共同で策定している場合に,自らが権利を有する技術が規格として採用された際のライセンス条件を偽るなど,不当な手段 を用いて当該技術を規格に採用させ,規格が確立されて他の事業者が当該技術についてライセンスを受けざるを得ない状況になった後でライセンスを拒 絶し,当該規格の製品の開発や製造を困難とする行為」
(調達仕様の誤認)
「ある技術に権利を有する者が公共機関を誤認させ,当該技術によってのみ実現できる仕様を定めさせることによ り,入札に参加する事業者は当該技術のライセンスを受けなければ仕様に合った製品を製造できない状況の下で,他の事業者へのライセンスを拒絶し,入札への 参加ができないようにする行為」

(2)技術の利用範囲を制限する行為[指針第3-1-(2)]
他の事業者に技術を利用できる範囲(例えば、生産・仕様・譲渡・輸出等の行為、期間、事業分野、地域、ミニマム数量・回数、輸出禁止、輸出地域、サブラ イセンス相手)を指示し守らせる行為は、通常はそれ自体は問題とならない。
ただし、知的財産制度の趣旨を逸脱する等と認められる場合であって、一定の取引分野における競争を実質的に制限する場合には,私的独占に該当することに なる。

(3)技術の利用に条件を付す行為[指針第3-1-(3)]
以下の行為は、一定の取引分野における競争を実質的に制限する場合には、私的独占に該当することになる。
(複数ライセンシー間の相互拘束)
「事業者に対して,マルティプルライセンスを行い,これら複数の事業者に対して,当該技術を用いて供給する製品 の販売価格,販売数量,販売先等を指示して守らせる行為」
(代替技術の開発・採用の禁止)
「製品の規格に係る技術又は製品市場で事業活動を行う上で必要不可欠な技術(必須技術)について,当該技術に権利を有する者が,他の事業者にライセンスを する際,当該技術の代替技術を開発することを禁止する行為」または「代替技術を採用することを禁止する行為」(ライセンシーによる代替技術の開発又は採用 を明示的に禁止する場合に限らず、例えば代替技術の開発等を行わない事業者にのみ、著しく有利な条件を設定するなど、実質的にみて、代替技 術の開発等を制限する場合も同様)
(不合理な附帯義務)
「製品の規格に係る技術又は製品市場で事業活動を行う上で必要不可欠な技術(必須技術)について,当該技術に権利を有する者が,他の事業者に対してライセ ンスをする際に,合理的理由なく,当該技術以外の技術についてもライセンスを受けるように義務を課す行為,又はライセンサーの指定する製品 を購入するように義務を課す行為」

2.独禁法2条6項に該当し得る行為

(1)パテントプール[指針第3-2-(1)]
パテントプールは、それ自体が直ちに不当な取引制限に該当するものではない(「標準化に伴うパテントプールの形成等に関する独占禁止法上の指針」(平成 17 年6月29 日公表)参照)。
ただし、代替技術のライセンス条件や製品の対価・数量・供給先等の共同取り決め、技術改良の制限、ライセンス相手の制 限、合理的理由のないライセンス拒否は、当該技術・製品の取引分野における競争を実質的に制限する場合には、不当な取引制限に該当する。

(2)マルティプルライセンス(複数の事業者へのライセンス)[指針第3-2-(2)]
ライセンサー及び複数のライセンシーが共通の制限を受けるとの認識の下に、当該技術の利用の範囲、当該技術を用いて製 造する製品の販売価格、販売数量、販売先等を制限する行為は、これら事業者の事業活動の相互拘束に当たり、当該製品の取引分野における競争を実質 的に制限する場合には、不当な取引制限に該当する。
また、同様の認識の下に、当該技術の改良・応用研究、その成果たる技術(以下「改良技術」という。)についてライセン スをする相手方、代替技術の採用等を制限する行為も、技術の取引分野における競争を実質的に制限する場合には、不当な取引制限に該当する。

(3)クロスライセンス[指針第3-2-(3)]
ライセンスの事業者が一定の製品市場において占める合算シェアが高い場合に、当該製品の対価、数量、供給先等について 共同で取り決める行為や他の事業者へのライセンスを行わないことを共同で取り決める行為は、当該製品の取引分野における競争を実質的に制限する場 合には、不当な取引制限に該当する。
技術の利用範囲としてそれぞれが当該技術を用いて行う事業活動の範囲を共同して取り決める行為は、技術又は製 品の取引分野における競争を実質的に制限する場合には、不当な取引制限に該当する。

Ⅱ.独禁法19 条(不公正な取引方法)に関する行為

1.技術を利用させないようにする行為[指針第4-2]

以下の行為は、公正競争阻害性を有する場合には(指針第4-1参照。競争減殺効果で判断される。原則として市場シェア20%以下の場合には減殺効果は軽 微と判断される。)、不公正な取引方法に該当することになる。
(1)「自己の競争者がある技術のライセンスを受けて事業活動を行っていること及び他の技術では代替困難であることを知って,当該技術に係る権利を権利者 から取得した上で,当該技術のライセンスを拒絶し当該技術を使わせないようにする行為」
(2)「ある技術に権利を有する者が,他の事業者に対して,ライセンスをする際の条件を偽るなどの不当な手段によって, 事業活動で自らの技術を用いさせるとともに,当該事業者が,他の技術に切り替えることが困難になった後に,当該技術のライセンスを拒絶することにより当該 技術を使わせないようにする行為」
(3)「ある技術が,一定の製品市場における事業活動の基盤を提供しており,当該技術に権利を有する者からライセンスを受けて,多数の事業者が当該製品市 場で事業活動を行っている場合に,これらの事業者の一部に対して,合理的な理由なく,差別的にライセンスを拒絶する行為」

2.技術の利用範囲を制限する行為[指針第4-3]

当該技術を利用する範囲(例えば、生産・仕様・譲渡・輸出等の行為、期間、事業分野、地域、ミニマム数量・回数、輸出 禁止、輸出地域制限、サブライセンス相手)を限定してライセンスをする行為は、原則として不公正な取引方法に該当しない。
ただし、実質的に権利の行使と評価できない場合(例えば、最大数量・回数の限定、国内市場の競争に影響があるような輸 出価格の限定)については、不公正な取引方法の観点から問題となる。

3.技術の利用に関し制限を課す行為[指針第4-4]

ある技術の利用を他の事業者にライセンスをする際に、当該技術の機能・効用を実現する目的、安全性を確保する目的、又は、ノウハウのような秘密性を有す るものについて漏洩や流用を防止する目的で、ライセンシーに対し、制限を課す行為は、一定の合理性が認められる場合がある。
ただし、必要な限度を超えている場合であって、公正競争阻害性を有する場合には、不公正な取引方法に該当する ことになる。

(1)原材料・部品に係る制限
原材料・部品その他ライセンス技術を用いて製品を供給する際に必要なもの(役務や他の技術を含む。以下「原材料・部品」という。)の品質又は購入先を制 限する行為。
当該行為は、必要な限度を超えている場合であって、かつ、公正競争阻害性を有する場合には、不公正な取引方法 に該当する

(2)販売に係る制限
ライセンス技術を用いた製品(プログラム著作物の複製物を含む。)の販売に関し、販売地域、販売数量、販売先、商標使用等を制限する行為(価格に係る制 限については次項を参照)。
当該行為は、当該権利が国内において消尽していると認められる場合又はノウハウのライセンスの場合であって、 公正競争阻害性を有する場合は、不公正な取引方法に該当する。
ライセンス技術を用いた製品の販売の相手方を制限する行為(ライセンサーの指定した流通業者にのみ販売させること、ラ イセンシーごとに販売先を割り当てること、特定の者に対しては販売させないことなど)は、公正競争阻害性を有する場合には、不公正な取引方法に該 当する。
種苗法上の品種登録がされた種苗について、種苗の生産に係るライセンシーが生産した種苗の販売先を種苗を用いた収穫物の生産に係るライセンシーに限るこ とは、収穫物の生産に係る権利の侵害を防止するために必要な制限と考えられる。
特定の商標の使用を義務付ける行為は、商標が重要な競争手段であり、かつ、ライセンシーが他の商標を併用する ことを禁止する場合を除き,原則として不公正な取引方法に該当しない。

(3)販売価格・再販売価格の制限
ライセンス技術を用いた製品に関し、販売価格又は再販売価格を制限する行為。
当該行為は、原則として不公正な取引方法に該当する。

(4)競争品の製造・販売又は競争者との取引の制限
ライセンサーの競争品を製造・販売すること又はライセンサーの競争者から競争技術のライセンスを受けることを制限する行為。
当該行為は、公正競争阻害性を有する場合には、不公正な取引方法に該当する。
なお,当該技術がノウハウに係るものであるため、当該制限以外に当該技術の漏洩又は流用を防止するための手段がない場 合には、秘密性を保持するために必要な範囲でこのような制限を課すことは公正競争阻害性を有さないと認められることが多いと考えられる。このこと は、契約終了後の制限であっても短期間であれば同様である。

(5) 最善実施努力義務
ライセンサーがライセンシーに対して、当該技術の利用に関し、最善実施努力義務を課す行為。
当該行為は、原則として不公正な取引方法に該当しない。

(6) ノウハウの秘密保持義務
契約期間中及び契約終了後において、契約対象ノウハウの秘密性を保持する義務を課す行為。
当該行為は、原則として不公正な取引方法に該当しない。

(7) 不争義務
ライセンス技術に係る権利の有効性について争わない義務を課す行為。
当該行為は、円滑な技術取引を通じ競争の促進に資する面が認められ、かつ、直接的には競争を減殺するおそれは小さい。
ただし、無効にされるべき権利が存続し、当該権利に係る技術の利用が制限されることから、公正競争阻害性を有するものとして不公正な取引方法に該当する 場合もある。
なお、ライセンシーが権利の有効性を争った場合に当該権利の対象となっている技術についてライセンス契約を解除する旨 を定めることは,原則として不公正な取引方法に該当しない。

4.その他の制限を課す行為[指針第4-5]

(1) 一方的解約条件
ライセンサーが一方的に又は適当な猶予期間を与えることなく直ちに契約を解除できる旨を定めるなど、ライセンシーに一方的に不利益な解約条件を付す行 為。
当該行為は、独禁法上問題となる他の制限行為と一体として行われ、当該制限行為の実効性を確保する手段として用いられ る場合には、不公正な取引方法に該当する。

(2) 技術の利用と無関係なライセンス料の設定
ライセンサーがライセンス技術の利用と関係ない基準に基づいてライセンス料を設定する行為(例えば、ライセンス技術を用いない製品の製造数量又は販売数 量に応じてライセンス料の支払義務を課すこと)。
当該行為は、公正競争阻害性を有する場合には、不公正な取引方法に該当する。
なお、当該技術が製造工程の一部に使用される場合又は部品に係るものである場合に、計算等の便宜上、当該技術又は部品を使用した最終製品の製造・販売数 量又は額、原材料、部品等の使用数量をライセンス料の算定基礎とすること等、算定方法に合理性が認められる場合は,原則として不公正な取引方法に該当しな い。

(3) 権利消滅後の制限
技術に係る権利が消滅した後においても、当該技術を利用することを制限する行為、又はライセンス料の支払義務を課す行為。
当該行為は、公正競争阻害性を有する場合には、不公正な取引方法に該当する。
ただし,ライセンス料の支払義務については、ライセンス料の分割払い又は延べ払いと認められる範囲内であれば、ライセンシーの事業活動を不当に拘束する ものではないと考えられる。

(4) 一括ライセンス
ライセンシーの求める技術以外の技術についても、一括してライセンスを受ける義務を課す行為。
当該行為は、ライセンシーが求める技術の効用を保証するために必要であるなど、一定の合理性が認められる場合 には、原材料・部品に係る制限と同様の考え方によって判断される。
もっとも、技術の効用を発揮させる上で必要ではない場合又は必要な範囲を超えた技術のライセンスが義務付けられる場合は、公正競争阻害性を有する場合に は、不公正な取引方法に該当する。
このような義務が課されているかどうかは、ライセンサーが指定する技術以外の技術をライセンシーが選択することが、実質的に困難であるかの観点から判断 することになる。
複数の特許権等について一括してライセンスを受ける義務を課す場合であっても、そのうち使用された特許権等についての み対価を支払う契約となっている場合には、一括ライセンスには該当しない。

(5) 技術への機能追加
 ライセンサーが、既にライセンスをした技術に新機能を追加して新たにライセンスをする行為。
 当該行為自体はライセンスに伴う制限とはいえない。
 しかし、ある技術がその技術の仕様や規格を前提として、次の製品やサービスが提供されるという機能(以下「プラットフォーム機能」という。)を持つもの であり、当該プラットフォーム機能を前提として、多数の応用技術が開発され、これら応用技術の間で競争が行われている状況において、当該プラットフォーム 機能を持つ技術のライセンサーが、既存の応用技術が提供する機能を当該プラットフォーム機能に取り込んだ上で新たにライセンスをする行為は、ライセンシー が新たに取り込まれた機能のライセンスを受けざるを得ない場合であって、かつ、公正競争阻害性を有する場合には、不公正な取引方法に該当する。

(6) 非係争義務
 ライセンシーが所有し、又は取得することとなる全部又は一部の権利をライセンサー又はライセンサーの指定する事業者に対して行使しない義務を課す行為。
 当該行為は、公正競争阻害性を有する場合には、不公正な取引方法に該当する。
 ただし、実質的にみて、ライセンシーが開発した改良技術についてライセンサーに非独占的にライセンスをする義務が課さ れているにすぎない場合は、原則として不公正な取引方法に該当しない。
 ライセンシーが所有し、又は取得することとなる全部又は一部の特許権等をライセンサー又はライセンサーの指定する事業者に対してライセンスをする義務 (グラントバック)も同様。

(7) 研究開発活動の制限
 ライセンス技術又はその競争技術に関し、ライセンシーが自ら又は第三者と共同して研究開発を行うことを禁止するなど、ライセンシーの自由な研究開発活動 を制限する行為。
 当該行為は、原則として不公正な取引方法に該当する。
 ただし、当該技術がノウハウとして保護・管理される場合に、ノウハウの漏洩・流用の防止に必要な範囲でライセンシーが 第三者と共同して研究開発を行うことを制限する行為は、一般には公正競争阻害性が認められず、不公正な取引方法に該当しない。
 プログラム著作物については、当該プログラムの改変を禁止することは、一般的に著作権法上の権利の行使とみられる行為である。しかしながら、著作権法上 も、ライセンシーが当該ソフトウェアを効果的に利用するために行う改変は認められており(著作権法第20 条第2項第3号,第47 条の2)、このような行為まで制限することは権利の行使とは認められない。

(8) 改良技術の譲渡義務・独占的ライセンス義務
(アサインバック・独占的グラントバック)
 ライセンシーが開発した改良技術について、ライセンサー又はライセンサーの指定する事業者にその権利を帰属させる義務、又はライセンサーに独占的ライセ ンスをする義務を課す行為。
 当該行為は、原則として不公正な取引方法に該当する。
 独占的ライセンスとは,専用実施権を設定すること、独占的な通常実施権を与えるとともに権利者自身もライセンス地域内で権利を実施しないこと等をいう。
 権利者自身がライセンス技術を利用する権利を留保する形態は非独占的ライセンスとして取り扱う。
 ライセンシーが特許等の出願を希望しない国・地域について、ライセンサーに対して特許等の出願をする権利を与える義務を課すことは、本制限には該当しな い。


(共有)
 ライセンシーが開発した改良技術に係る権利をライセンサーとの共有とする義務は、公正競争阻害性を有する場合には、不公正な取引方法に該当する。

(利用技術のアサインバック)
 ライセンシーが開発した改良技術が、ライセンス技術なしには利用できないものである場合に、当該改良技術に係 る権利を相応の対価でライセンサーに譲渡する義務を課す行為については、一般に公正競争阻害性を有するものではない。

(9) 改良技術の非独占的ライセンス義務(改良技術の非独占的グラントバック)
 ライセンシーによる改良技術をライセンサーに非独占的にライセンスをする義務を課す行為。
 当該行為は、原則として不公正な取引方法に該当しない。
ただし、当該改良技術のライセンス先を制限する場合(例えば、ライセンサーの競争者や他のライセンシーにはライセンスを しない義務を課すなど)は、公正競争阻害性を有する場合には、不公正な取引方法に該当する。もっとも、ライセンシーが開発した改良技術がラ イセンサーの技術なくしては利用できない場合において、他の事業者にライセンスをする際にはライセンサーの同意を得ることを義務付ける行為は、原 則として不公正な取引方法に該当しない。

(10) 取得知識,経験の報告義務
 ライセンス技術についてライセンシーが利用する過程で取得した知識又は経験をライセンサーに報告する義務を課す行為。
 当該行為は,原則として不公正な取引方法に該当しない。
 ただし、当該義務が、実質的には、ライセンシーが取得したノウハウをライセンサーにライセンスをすることを義務付けるも のと認められる場合であって、公正競争阻害性を有する場合には、不公正な取引方法に該当する。

                                                              以上

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